業務処理にデータベースは欠かせません。Webアプリケーションでも同じです。業務処理をWeb化する場合、特にデータベース連携機能が重要になります。
- インターネットとデータベース -
組織内のイントラネットで業務処理を行う場合はもちろん、インターネット上のWebアプリケーションでも、至る所でデータベースが利用されています。
以下に簡単な例を挙げてみましょう。
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通信販売 いわゆるWeb通販サイトです。 品名や単価などが記録された商品テーブルを元に、商品の一覧や詳細情報を表示し、ユーザーが商品の選択を行うと、その内容が新たなテーブルに書き込まれます。 さらに送料や手数料などのテーブルを参照し、消費税や送料の計算を行って最終的な発注データが生成されます。 |
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サーチエンジン Yahoo!やGoogleなどの検索サイトです。 これはもう、説明の必要もないでしょう。世界中のWebサイトのURLと検索キーワードをデータベース化し、ユーザーの入力したキーワードに合致するサイトを一覧表示します。テーブル検索のお手本のような仕組みです。 |
この他、大量の会員を抱え、さらにその会員が大量の商品を売りに出したり購入したりするオークションサイトでは、通販サイト以上に複雑で大規模なデータベース処理が行われます。
図4:通信販売サイトとデータベース
- イントラネットとデータベース -
インターネット上のWebアプリケーションでも、上述したように様々な形でデータベースを利用していますが、世界中に存在するありとあらゆる種類のWebサイト全体から見れば、データベースを中心としたWebサイトはそう多くありません。
ところがイントラネットで稼働させる業務処理に目を転じると、データベースへの依存度が一気に増大します。ご存じのように、業務処理のほとんどすべてがデータベースと何らかの形でつながっている――と言えます。
イントラネットでは、キーワード入力によるデータの検索や、顧客からの受注処理だけといったシンプルな仕組みに止まりません。
検索のための元データは、日々の業務運営の結果によって蓄積されるものですし、商品を販売すれば在庫が変わり、請求事由が生じて入金事由が発生――という具合に、組織内の様々な処理が連携し、それらがすべて(場合によっては一部だけかもしれませんが)データベース処理と関わっています。
もちろんインターネットの通販サイトや検索サイトでも、同様に様々なデータベース処理が連携しているでしょうが、基本的にWebで稼働させている部分は組織外のユーザー(顧客・会員など)とやり取りする部分に絞られてくるため、「Web+データベース」という関係が、組織内の業務処理ほどには明確になりません。
図5:商品が販売されると様々なデータが変化する
- 既存データの継承が重要 -
イントラネットによる業務処理は、ほとんどの場合既存のシステムからの移行となるでしょう。従って、既存のデータベース資産を活かし、ユーザーインターフェイスも従来のシステムと比べて違和感のないものにしなければなりません。
そういった意味では、JavaサーブレットやASPの提供するデータベース連携機能、ユーザーインターフェイス構築機能は非常に便利です。その他、既存のWebサーバーに組み込んで、データベースを扱うスクリプト形式のアプリケーションを実行できるPHPも魅力的です。部外とのやり取りを行う場合のデータフォーマットとしては、XMLが有利でしょう。
Webアプリケーションの開発と実行のための環境は、急速に整いつつあります。
Webアプリケーションと、その実行基盤となるTCP/IPネットワークについて、概要を紹介してきました。基礎知識はここまでとし、次回からは具体的なWebアプリケーション開発の手法を紹介していくことにします。
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