Webというと、どうしてもインターネットのWebサイトを思い浮かべてしまいます。しかし実務処理という観点からは、インターネットよりイントラネット――内部ネットワークの方が可能性があります。
- Webはインターネットだけではない -
確かに、インターネットのWebサイトでもたくさんのアプリケーションが稼働しています。真っ先に思い浮かぶのは、携帯電話のiモードでアクセスできるiアプリでしょう。NTT DoCoMoの503iシリーズで利用できる、Javaベースのアプリケーションです。その他、一般のWebサイトでもゲームや占い、掲示板やチャットなど、ユーザーの入力を受け付けて処理を行うサイトがたくさんあります。
こうして眺めると「Webアプリケーションって、エンタテイメント系ばかりじゃないか」と思う人も多いでしょう。実際、インターネットのWebサイト――特に商用サイトでは客寄せの目的が強く、どうしてもエンタテイメント系が多くなってきます。
しかし、Webアプリケーションで、いわゆる業務処理も可能であることは、言うまでもありません。例えば、通販サイトで顧客から商品を受注するシステムなどはWebアプリケーションの一種と言えます。
ただ、不特定多数のユーザーを対象とするインターネットでは、実務向けアプリケーションの必要性が薄いため、eコマースのいわゆるBtoC(Business to Consumer)システム以外には、それほど見あたりません。
- 内部ネットワークでこそ威力を発揮 -
実務系のアプリケーションは、むしろ組織内の閉ざされたネットワーク――イントラネットやエクストラネットで威力を発揮します。
インターネットに実務系アプリケーションが少ない理由には、先述した他にトラフィックとレスポンスの問題もあります。最近はADSLなどの高速回線も普及してきましたが、多くのユーザーがその恩恵に与れるわけではありません。不特定多数のユーザーを対象とするインターネットでは、レスポンスのあまり良くない環境を前提に、できるだけ多くのユーザーにアクセスされることを考えなければならないでしょう。そうなると、あまり複雑な処理は実行できなくなります。
しかしイントラネットなど、限られたユーザーが比較的高速な回線を利用できる環境なら、トラフィックとレスポンスの問題を意識する必要はなくなります。また、ユーザーがネットワークを利用する目的が「組織運営――業務や研究など」に絞られるため、大量のデータが行き来する業務処理も稼働させやすくなります。
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