今回のバージョンアップで特徴的なことは、無償で利用できるExpress版が提供されたことです。SQL Server 2005の他、Visual Basic 2005やVisual C++ 2005などの開発環境にもExpress版が提供されています。
- 学習に最適 -
これらExpress版の制限は『ネットワーク環境で利用できない』点だけで、あとは製品版とほぼ同じ機能を利用できます。つまり、スタンドアロンのデータベース・アプリケーションを開発する環境が無償で手に入る、ということです。
それも驚いたことに、これらExpress版は従来のような評価目的の製品ではなく、MicrosoftはExpress版による商用プログラムの開発を認めています。何とも思い切った発想です。しかし、実のところネットワークに対応していないExpress版では、作れてもスタンドアロンの住所録などフリーウェアで流通している程度のものでしょう。本格的な業務アプリケーションは、ネットワーク環境が大前提です。
結果的にExpress版は、入門・学習用という位置付けになると思います。どんどん活用してデータベースとプログラミングをマスターしましょう。
なお、ネットワーク環境での利用も可能な「SQL Server 2005 Enterprise Edition 180日間 限定評価版」が別途公開されています。こちらは、本格的な業務での利用を前提とした評価版です。
- SQL Server 2005の入手方法 -
SQL Server 2005 Express版には、サーバー単独製品の他に管理ツール、サーバーと管理ツールを組み合わせたものなど、いくつかの製品が存在します。すべてMicrosoftのWebサイトからダウンロードが可能です。
・SQL Server 2005 Express版の紹介ページ
SQL Server 2005 Express版の特徴などを紹介したページです。このページの「ダウンロード」欄から各製品をダウンロードできます。
・Microsoft SQL Server 2005 Express Edition Service Pack 1
SQL Server本体(Service Pack 1適用)をダウンロードできます。
・Microsoft SQL Server Management Studio Express
SQL Serverの管理ツールであるManagement StudioのExpress版をダウンロードできます。
・Microsoft SQL Server 2005 Express Edition with Advanced Services
SQL Server 2005 Express版にManagement Studio Express版を組み合わせたパッケージがダウンロードできます。
- Management Studioもいっしょに -
SQL ServerでSQLやデータベースの管理を学習するなら、Management Studioも一緒になった「Microsoft SQL Server 2005 Express Edition with Advanced Services」をダウンロードするのがよいでしょう。
本コラムで紹介したSQLはSQL Server 2000を前提としていますが、基本的なものはすべてSQL Server 2005でも実行できます。トランザクション管理やテーブル、ビュー、ストアドプロシージャ、ユーザー定義関数の作成・更新・削除処理も問題ありません。
但し、「参照整合性制約」に関するプロパティ名が変更されています。また、SQL Server 2005ではセキュリティが強化されており、ユーザーの権限に絡んだエラーの発生する可能性はあります。
《Visual StudioのExpress版》
開発環境のVisual Studioでは、以下のExpress版がダウンロードできます。
・Visual Basic 2005 Express Edition
・Visual C# 2005 Express Edition
・Visual C++ 2005 Express Edition
・Visual J# 2005 Express Edition(英語版のみ)
これらは、以下のURLから各言語を選択してダウロードページに移動できます。
http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/express/
Visual BasicとVisual C#では、SQL Server 2005 Express版も同時にダウンロードしてインストールすることも可能です。但しこの場合、管理ツールのManagement Studioはインストールされません。
Management StudioでGUIによるデータベースの操作や管理を行いたければ、本文で紹介した「Microsoft SQL Server Management Studio Express」を別途ダウンロードしてインストールしなければなりません。 |
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