Webアプリ開発事始 第6回

WebアプリケーションとHTML(2)
~Accessのデータアクセスページを使う
長谷川裕行
有限会社 手國堂

データアクセスページの保存

データアクセスページが出来上がったら、Webサーバーに保存します。Webサーバーではなく、通常の(Windowsネットワークの)ファイルサーバーの共有フォルダでも構いません。


- ページは単独のHTMLファイル -

データアクセスページはAccessのオブジェクトとして管理され、その編集もAccessで行いますが、保存先はmdbファイルではなく、単独のHTMLファイルとしてフォルダに保存されます。

「ファイル(F)」→「名前を付けて保存(A)」を選択すると、保存先を入力するダイアログボックスがオープンします。ここに「作成したデータアクセスページの名前」を入力します。保存先のパスやファイル名ではなく<名前だけ>を入力します。

名前を入力して[OK]をクリックすると、ファイル保存のダイアログボックスがオープンします。ここで先述したようにファイルサーバーの共有フォルダなど任意の保存先を指定し、[OK]をクリックすれば、

  先に入力した名前.htm

というファイル名で、HTMLファイルとして保存されます。拡張子をhtmlに変更しても構いません。

このとき「FTPロケーション」からFTPサーバーを選択すれば、FTPサーバーに接続してサーバーのディレクトリに保存できます。

HTMLファイルを保存したら、クライアントからブラウザ(IE)を使ってそれを開けます。


- UNC表記でファイルを指定できる -

Webサーバーの管理するHTMLファイルとして保存した場合は、URLを使って場所を指定します。例えば、maryというサーバーのdbフォルダに保存したなら、以下のようなURLでアクセスできます。

  http://mary.db/出勤簿a.htm

Windowsネットワークのファイルサーバーに保存した場合は、UNC表記を使って以下のように指定できます。

  \\mary\db\出勤簿a.htm

デスクトップにあるネットワークコンピュータ(マイネットワーク)のウィンドウから、ファイルサーバーとしたコンピュータのアイコンを開き、フォルダをたどって直接出勤簿a.htmを開いても構いません。

画面14:完成したページをIEで開く


- 保存後に変更が反映される -

完成したHTMLファイルをIEで開くと、デザインしたデータアクセスページが表示されます。

レコードナビゲーションでレコードの移動、カレントレコードの削除、レコードの追加などが実行できます。レコードを追加する場合や内容を書き換える場合、Accessのフォームなら「職員番号」を入力すれば「氏名」と「単価」が表示され、出社時刻や退社時刻を書き換えれば「日給」の値が変化します。

しかしデータアクセスページでは、データを入力したり書き換えたりした直後には、何の変化も生じません。新規レコードなら、「氏名」や「単価」は空白のままとなっています。

これは、データアクセスページがAccessのフォームのようにデータベースと直結しておらず、HTMLファイル内のスクリプトを通じて間接的にデータベースをアクセスする仕組みとなっているためです。

新規レコードに値を入力したり、フィールドの値を書き換えたりした場合には、保存ボタンをクリックして変更された内容をデータベースに書き込まなければなりません。これでデータベースが更新され、「職員番号」に相当する「氏名」や「単価」が表示されたり、「日給」の値が再計算されて表示されます。


- 目次 -
トップページ
Accessで作れるWebアプリケーション
追加・削除のできるWebアプリを作る(1)
~データベースのデザイン
追加・削除のできるWebアプリを作る(2)
~ページの作成と保存
細かな手直し
データアクセスページの保存
ページは単独のHTMLファイル
UNC表記でファイルを指定できる
保存後に変更が反映される
ファイルの保存場所に注意
クライアントのセキュリティ設定
あとがき

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