Javaはコンピュータだけではなく、携帯電話にも用いられています。NTT DoCoMoのiアプリやJ-PHONEのJavaアプリなど、電話会社によって名称は異なりますが、基本はJavaで開発したアプリケーションです。
- 携帯電話用JavaSDK -
アプリケーションの開発に用いるツールキットの基本はどれも同じで、“J2ME Wireless SDK”ベースにしています。“J2ME Wireless SDK”は携帯電話をはじめとする無線通信機器用に特化したJavaのサブセットです。iモードの場合は“J2ME Wireless SDK for the DoJa※2”という名称となっています。
携帯電話用のアプリケーションとは言っても、開発はコンピュータ上で行います。J2ME Wireless SDKにはWindowsなどのOSで動作するコンパイラの他、ターゲット・マシンである携帯電話の機構をパソコン上で仮想的に実現するエミュレータが含まれています。
※2 “DoJa”は“DoCoMo Java”の略です
- iアプリ版“Hello world” -
参考までに、iアプリの簡単なソースコードを紹介しておきましょう。画面に“Hello Java!”と表示させます。
iアプリやJavaアプリというと、どうしてもゲームを思い浮かべてしまいます。しかし実際には、出先から携帯電話で商品の在庫を調べたり、予定をチェックしたりするような実用的なアプリケーションも利用されています。
リスト6:iアプリ版“Hello world”
Visual J# .netが登場
Microsoft社から、Visual Studio .NETの新しいプログラミング言語として“Visual J# .NET 日本語版”が登場しました。Visual Studio 6.0まで存在していたVisual J++に代わるJavaのプログラミング環境です。
Visual J#はVisual Studio .NETへ組み込んで使用するアドオンの形で提供され、Visual BasicやVisual C#、Visual C++と同じように、.NET Frameworkに対応したアプリケーションやXML Webサービスを構築できるようになります。
これまでに開発したVisual J++の資産を活かせる他、Javaプログラミングの技術を.NETで活用できるため、.NETの世界が広がるでしょう。
Visual J# .NETは、2002年8月6日から、MSDNサブスクリプションの登録ユーザー向けダウンロードサービス「MSDN Subscriber Downloads」からダウンロードできるようになっています。また、実費(1,050円)でのCD-ROM送付サービスも行われます。
MSDN登録ユーザー以外の人には、2002年9月から無償提供が予定されています。詳しい情報は、以下のMicrosoft社のサイトに掲載されています。
http://www.microsoft.com/japan/msdn/vjsharp/ |
クライアントサイドの言語であるJava Scriptとアプレット、サーバーサイドのサーブレットJSP……と、Javaの基本を一通り紹介してきました。仮想マシン上で動作するJavaはOSの壁を超えた動作環境を実現できるため、Webアプリケーションの開発だけではなく、一般のアプリケーション開発にも用いられています。
Javaの開発元であるSun Microsystems社の提供するSDKはもちろんのこと、開発ツールのベンダーが各種統合環境の無償版をWebで公開するなど、開発環境の入手は容易になっています。
また、Javaのテクニックを紹介している書籍、雑誌、ムックも多数出回っています。これまでに登場したプログラミング言語の中で、Javaはおそらく最も学習環境の整った言語だと思います。気軽に取り組んでみましょう。
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