Javaには、プログラムを部品化して再利用できるJavaBean、データベースとの接続を行うJDBCなど、複雑・大規模な実務プログラムを組み上げる際に役立つ機能が用意されています。
- データの部品化~JavaBeanとEJB -
Javaでは、多くのプログラムから共通で利用できる小さな処理をクラスとして作成し、再利用できるようになっています。これをJavaBean※1と言います。Microsoft社のActiveXと同様、プログラムの部品化、コンポーネント化によって開発効率を向上できます。
JavaBeanは、元々はActiveXコンポーネントと同じように、機能のGUI化を目指して開発されました。しかし今では、サーブレットで複雑な処理を構築する際の機能分化と再利用の手段として、活用されています。
サーブレットで用いるJavaBeanのサーバー版をEJB――Enterprise JavaBeanと言い、Session Beanと呼ばれる一時的なロジックを保存するオブジェクトと、Entitiy Beanと呼ばれる永続的な処理工程を保存するオブジェクトの2つに分類されています。
Session Beanは、例えば販売管理、在庫管理、給与管理など具体的な業務の基本的な処理の仕組みをオブジェクト化したもので、Entitiy Beanはデータベース操作の結果をオブジェクト化したものです。
特定の業務処理に適したコンポーネントを利用することで、効率的な開発が可能となります。
※1 複数形にして“Beans”と表記されている場合もあります
- データベースとの接続~JDBC -
業務処理ではデータベースの扱いが必須となります。特にサーブレットやJSPでは、データベースサーバーの管理するRDBMSを介してデータベースをアクセスする処理が重要です。
JDBCは、Javaプログラムから様々なデータベースを共通の手段で扱うための規格で、WindowsでおなじみのODBC(Open Database Connectivity)のJava版と言えます。名称もJava Database Connectivityの略と言われていますが、Sun Microsystemsによれば「JDBCは略称ではなく、それ自体が正式名称」ということです。
仕組みはODBCと同じで、ここのデータベース専用のJDBCドライバを用意しておき、それを介してデータベースにアクセスします。
データベースのオープンからSQLによるレコードセットの取得など、基本的な操作はASPでADOを介してデータベースを扱う場合と大差ありません。
リスト5:JDBCによるデータベース操作(一部のみ抜粋)
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