クライアントサイド・アプリケーションでは、Webサーバーの側で行う処理は非常に単純になります。
- スクリプト形式が主流に -
クライアントサイドといえば、少し前まではJavaアプレットが一般的でした。しかし今では、Javaはむしろサーバーサイドで動作するサーブレットの方が主流になり、クライアントサイド・アプリケーションで用いられるプログラミング言語は、JavaスクリプトやVBスクリプトが主流になっています。
JavaスクリプトやVBスクリプトは、<Script>タグを使ってHTML文書中にソースコードを埋め込めるため、手軽に作成でき、動作テストや手直しも容易です。よく用いられる処理のソースを公開しているWebサイトも多いため、それを入手して少し手直しするだけで実用になるなど、便利な面がたくさんあります。
- すべてクライアントで処理される -
スクリプト形式の言語の場合、先述したようにソースコードがそのままHTMLデータの一部としてクライアントに送信されます。
クライアント側のブラウザはHTMLデータ内に埋め込まれたソースコードを読み取り、記述された命令に従って画面表示などの処理を行ないます。そのため、ユーザの入力したデータをWebサーバーに送信する必要はありません。すべてクライアント側で動作しているアプリケーションが処理し、その結果は直接クライアントのブラウザに表示されます。
従ってサーバーの負担は少なくなり、ネットワークのトラフィックも減少します。但し、クライアント側の負荷が増えます。
- WindowsではASPが便利 -
インターネットでWebアプリケーションと言えば、Macromedia FlashなどのWebオーサリングツールを使ったアニメーションなどが一般的です。しかし業務処理では、アニメーションを使った分かりやすさより、文字による整然としたユーザーインターフェイスが重要です。
業務処理にはデータベースが欠かせません。開発環境も、データベースとの親和性を重視して決めるべきです。
UNIXではPHPやJavaサーブレット+EJBなどがよく用いられます。Windowsでは、IISでASPを使うのが最も便利でしょう。ASPからADOを介してSQL ServerなどのRDBMSを制御できるので、データベースの扱いも楽です。ユーザーインターフェイスもVBスクリプトで記述でき、テンプレートを使って処理結果を表示できるため、開発効率の面からも有利です。
なお、IISでは、Windows NTの時代に使われていたIDC/HTX形式のWebアプリケーションも利用できます。データベース制御にODBCを使い、ASPより手っ取り早く作れますが、ASPのような柔軟性はありません。過去のものと言えます。今の段階では、Windows 2000でASPを使うのが一番堅実でしょう。
図4:クライアントサイド・アプリケーションでは、 すべてクライアントで処理される
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