技術はどんどん進歩し、アプリケーション開発も簡便化されています。Webアプリケーションの開発も、数年前に比べれば随分簡単になりました。しかし、基本は変わりません。
- データアクセスページの善し悪し -
前回、Accessのデータアクセスページを使ったWebページの作成方法を紹介しました。データアクセスページを使えば、非常に簡単にデータベースを扱うWebアプリケーションが作れます。
Accessのフォームやレポートを作るのとほぼ同じ要領でWebアプリケーションが作れてしまうため、開発にWebやHTMLに関する知識をさほど必要としません。これは大きなメリットであると同時にデメリットでもあります。
確かに開発の手間や、開発者育成のための教育コストは削減できますが、開発者にWebやHTMLについての知識が身に付かないため、データアクセスページ以外の開発手段へと発展させていくことが難しくなるでしょう。
Webアプリケーションの基本はHTMLです。内部でどのような処理をしていても、最終的にクライアントに向けて送信するデータはHTML形式となります。また、特に業務処理では、内部でXMLを扱うことも多くなるでしょう。こういった基本的な言語の理解をおろそかにしたまま、アプリケーションの自動生成に頼ってしまうと、「その次の段階」へと進むことが困難になります。
- 基礎を理解しておくことが大切 -
Microsoft社の提唱する .NETでも、Webアプリケーション開発のオートメーション化が進められています。LinuxやBSDなどUNIX系OSにも、GUI化の波は押し寄せています。サーバーの設定まで、X Window System上でできるようになってきました。アプリケーション開発については今はまだ過渡期だと言えますが、いずれ近いうちにX Window System上での開発が一般化するのではないかと思います。
このような状況を見ていると、「基本的なことを知らなくても、うまく動くものが作れたらOK」と考えてしまう人も出てくるでしょう(納期に追われる開発現場では、そのような風潮が支配的です)。
しかし、WebやHTMLに限らず、例えばVBでもそうですが、新しい技術、新しいスタイルだけを追いかけて、古い手法の中にある基礎技術を見落としてしまうと、プログラミングの最も大切な部分がいつまで経っても理解できず、次々と繰り出される「お手軽な作り方」を覚えるために四苦八苦するという、矛盾した状況に陥ってしまいます。
そして、とうとう新しい技術についていけなくなり、見捨てられるのは当の技術者です。基礎をしっかり理解しておきましょう。上辺は変わっても、土台はそう大きく変わらないものです。
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