ここまでに紹介してきた方法では、内容の固定されたHTML文書しか生成できません。いわゆる静的なHTMLです。Accessでは、ユーザーの入力に応答するような動的なHTMLも作れます。
- ASP形式で出力する -
静的なHTMLは既に出来上がったデータをHTML形式にするだけなので、刻々と変化する情報をリアルタイムにWebページに反映させたり、ユーザーの入力を受け取ってその処理結果をWebページで提示したりはできません。それを実現するには、動的なHTML生成機能が必要です。
Accessでは、Windows 2000などで稼働するWebサーバーIIS(Internet Information Services)で使用されるActive Server Pagesのファイル(ASPファイル)を生成できます。これを使えば、データベース・ファイルの内容を動的にHTML化して表示できます。
ASPでは、VBScriptを使ってデータベースの接続からユーザーインターフェイスの生成まで、複雑なWebアプリケーションを自在に設計できます。ASPについては別途稿を改めて説明しますので、ここではAccessのASP出力を簡単に紹介するだけにしておきます。
- データベースの内容がHTMLに逐次反映される -
AccessのオブジェクトをASP形式で出力するには、データベースウィンドウから目的のオブジェクトを選択し、メニューの「ファイル(F)」→「エクスポート(E)」を選択します。
ファイル保存のダイアログボックスで、「ファイルの種類(T)」に「Microsoft Active Server Pages(*.asp)」を選択して保存すれば、拡張子“.asp”のASPファイルが生成されます。
保存の前に、データソースやユーザー名などを指定しなければなりません。IISが稼働し、Accessのデータベース・ファイルをADOで扱えるように設定してあれば、Webサーバーのディレクトリに保存されたASPファイルを、ブラウザで表示できます。
この場合、ASPファイルはADOを介してデータベース・ファイルにアクセスし、最新の内容をHTML化するので、これまでの静的なHTMLとは異なり、ブラウザにはデータベースの現在の内容が、常に反映されるようになります。
<注意>
ASPを利用するにはWebサーバーの準備やIISの設定などが必要なため、誰でも実行して動作を確かめる――というわけにはいきません。そのため、今回は生成されたASPファイルをサンプルに含めていません。ご了承ください。
リスト4:AccessのフォームをActive Server Pages(ASP)形式で出力したVBScriptのソース
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