「Webアプリケーション」という表現は非常に曖昧で、厳密な定義はありません。処理全体の中の一部分だけにしかWebの機能を使っていなくても、それをWebアプリケーションと呼んではいけないという決まりはありません。
- 2とおりの解釈 -
Webアプリケーションと言うと、フォームを利用した入力用のテキストボックスやチェックボックスなどをブラウザ上に表示し、ユーザーの入力を受け取って処理結果を返す…といった形態を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかしまた、「Web環境上でアプリケーションの処理結果をユーザーに提示するだけでも、Webアプリケーションと呼べるのではないか」と考える人もいるはずです。例えば、Windows上でExcelやAccessを動かし、そこで処理した結果をHTML形式で書き出してWebサイトに掲載する――といった形です。
前者は「アプリケーションをWeb上で実行する」、後者は「アプリケーションの結果をWeb上に提示する」ということになり、表現上はどちらも「Webアプリケーション」と呼べます。
- 線引きは困難 -
この記事では、最初に
Webアプリケーションとは
Web環境上で実行されるアプリケーション
であると説明しました。要するに前者の解釈です。
しかし、実際にはWebアプリケーションに対する厳密な定義はありません。前者の定義も、あくまで便宜的なものです。一般的な(OSに依存する)アプリケーションの処理結果をWebで確認するという仕組みを、Webアプリケーションだと言っても間違いだとは言い切れません。
実際、全社的な基幹系システムでは、一部の部署だけで必要な処理やデータの分析など情報系と連携する部分をWeb化せず、一般的なアプリケーションとして運用していることが多いものです。
組織内ネットワークにTCP/IPプロトコルを用いるのが当たり前のようになった現在では、どこからどこまでWeb化されていればWebアプリケーションなのか――といった線を引くことは困難です。
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