データベース千夜一夜第6回

レコードの絞り込みと並べ替え/ADOによるデータベース制御 長谷川裕行
有限会社 手國堂

ConnectionStringプロパティと接続文字列

ADOでデータベースを制御するには、ConnectionオブジェクトのConnectionStringプロパティに接続文字列を設定しなければなりません。この点について簡単に補足しておきます。


- ConnectionStringプロパティ -

ConnectionオブジェクトのConnectionStringプロパティに設定する接続文字列の書式は、以下のようになります。

  Provider=<プロバイダ>;Data Source=<データソース>;<プロバイダ固有の設定>

プロバイダ
データベースを制御するデータベース・エンジンの種類を、以下のような文字列で指定します。

表2:プロバイダ指定文字列
プロバイダ名 文字列
Jet4.0 "Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0"
Oracle "Provider=MSDAORA"
SQL Server "Provider=SQLOLEDB"
ODBCドライバ "Provider=MSDASQL"

データソース
SQL ServerやOracleでは“Data Source”にサーバー名を、JetやODBCでは“Data Source”にデータベース名を指定します。SQL Serverでは“Initial Catalog”にデータベース名を設定します。

プロバイダ固有の設定
データベース接続のためのユーザーIDとパスワードは、各プロバイダごとに異なります。多くのプロバイダではユーザーIDに“User ID=...”、パスワードに“Password=...”という書式を用いますが、ODBC接続ではユーザーIDに“UID=...”、パスワードに“PWD=...”という書式を用います。


- 接続文字列の例 -

各プロバイダごとの接続文字列は、以下のような感じになります。以下の例では、サーバー名は“dbone”、ユーザーIDは“taro”、パスワードは“123456”に統一してあります。これらは、もちろん実際の設定に合わせて適宜変更しなければなりません。また、表示の都合で適当に改行してありますが、実際には""で囲まれた1つの文字列です。

Jet 4.0
 "Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;
  Data Source=Hanbai.mdb;User ID=taro;Password=123456;"
Oracle
 "Provider=MSDAORA;
  Data Source=dbone;User ID=taro;Password=123456;"
SQL Server
 "Provider=SQLOLEDB;
  Data Source=dbone;Initial Catalog=Hanbai;
  User ID=taro;Password=123456;"
ODBC
 "Provider=MSDASQL;
  DSN=HAnbai;UID=taro;PWD=123456;"


- Openメソッドで接続 -

ConnectionStringプロパティに接続文字列を設定した段階では、まだデータベースへの接続は行われません。この後、ConnectionオブジェクトのOpenメソッドを実行することで、データベースに接続してそれをオープンします。

また、接続文字列をConnectionStringに設定しないで、直接ConnectionオブジェクトのOpenメソッドの引数として与えることもできます。

  adoHanbai.Open _
   "Provider = SQLOLEDB;" _
   & " Data Source = dbone; Initial Catalog=Hanbai;" _
   & " User ID=taro; Password=123456;"


あとがき

データベース操作の基本であるSELECT命令と、それをプログラミング言語で扱う方法を紹介してきました。SELECT命令を理解したら、次はデータの加工を行う挿入・削除・更新処理に進みましょう。


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