Ver.1.0J(1.5J)から Ver.2.0J へ移行する際の注意事項について

文書番号 : 10427     文書種別 : 使用方法     最終更新日 : 2012/06/20
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対象製品
ActiveReports 2.0J Professional
詳細
ActiveReports 2.0J には、旧バージョンから移行するための移行ツールが付属しています。
本ツールを使用した移行方法の詳細については、製品をインストールしたフォルダの Convertフォルダに含まれる UpInfo.txt を参照してください。(スタートメニューの「移行情報」からも参照可能です。)

なお、Ver.1.0J(1.5J)から Ver.2.0J へ移行する際の注意事項としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 1.0J から 2.0J に直接移行することはできません
    2.0Jに付属の変換ツールは、1.5J→2.0Jへの変換のみに対応しております。申し訳ございませんが、1.0J→2.0Jの変換を行うためのツール等は、特に用意されておりません。
    1.0Jから2.0Jへ移行するには、まず1.5Jへの変換を行い、それを2.0Jへ変換するという手順となります。

    1.0Jの登録ユーザ様には、1.5Jへの無償アップグレードモジュール(および1.5J修正モジュール)が公開されております。以下の弊社Webサイトからダウンロードの上、お試しください。

    [Visual Basic製品のアップデート一覧 | 帳票印刷/レポート]
    http://www.grapecity.com/tools/downloads/update/activex/#1
     1.5Jアップデートモジュール  Size: 4.40 MB Date: 2000/03/10
     1.5J修正モジュール      Size: 943KB  Date: 2001/06/10
     1.5JPDFエクスポートDLL修正版 Size: 148 KB  Date: 2004/04/02



  2. 1.5修正版より前のバージョンと仕様上の変更点が多い
    1.0J→1.5J→2.0Jへの変換には、それぞれのバージョン間(特に1.0J→1.5J修正版)で仕様上の変更点が多いため、期待した動作にならず、カスタマイズが必要になることが考えられます。
    変更後のカスタマイズにつきましては、お客様のご自身で行っていただきますようお願い申し上げます。レポートの内容によっては、変換したレポートをカスタマイズするよりも、新規にモジュールを作成された方が良い場合もあります。

    たとえば、パフォーマンスの向上や不具合の修正を目的とした仕様の見直しにより、イベントの発生順序などで、旧バージョンと異なる動作をする場合があります。
    他に、メートル単位のサポートの影響から、移行によってデザインの構成などが若干異なる問題点が確認されております。移行後には、デザインを確認し新たに調整することが必要となります。
    また、1.5J修正モジュールでは、フォントサイズが変更されており、これがレイアウトに影響を与えることがあります。

    下記内容は、1.0J→1.5Jの主な仕様変更点です。

    • ADOの接続ウィザード
    • ページのヘッダ・フッタでのサブレポートの使用
    • メートル単位のサポート
    • DataFieldプロパティの機能拡張
    • FetchDataイベントの機能拡張
    • ページヘッダセクションのイベントの発生タイミングの変更
    • レコードポインタの移動タイミングの変更
    • データ集計のタイミングの変更
    • RichEdit コントロールの全体的な仕様変更(使いやすさの向上)
    • COM インタフェースの見直し(レポートに貼り付ける OLEオブジェクト、ActiveX コントロールに影響)
    詳細につきましては、こちらのファイルをご覧ください。

    ※このファイルは、1.5J のインストールディレクトリ下にあるテキストファイルや、2.0J のインストールディレクトリ内の Convertディレクトリ下にある各種ファイル、1.5J と 2.0J の各製品ヘルプの一部を抜粋し圧縮したものです。

    その他、弊社Webサイトでも情報を公開しておりますので、ご利用いただければと思います。

    ◆1.5J に関する情報


  3. ActiveXビューワは手動で移行する必要があります
    ActiveReports では、Objectタグを使用して、Webページ上に ActiveXビューワを埋め込むことで、レポートをブラウザ上に表示させることが可能です。

    ActiveXビューワは、1.0J では「arviewer.cab」、1.5J では「arviewer15j.cab」というCabファイルとして提供されておりますが、2.0J では「arview2.cab」に変更されております。

    従って、2.0J のレポートを これまでと同様に ActiveXビューワを使用してブラウザ上に表示するためには、Objectタグの内容を変更した上で、サーバー上の Cabファイルも「arview2.cab」に変更する必要がございます。

    しかしながら、この変更は変換ツールでは行われませんので、手動で以下のように変更して頂く必要がございます。

    ◆1.5J のコード例(変更前)
    <Object ID="ARViewer1"
      WIDTH=100%
      HEIGHT=70%
      CLASSID="clsid:ABBBF549-ECBB-4005-ACA7-A8C09A8682E8"
      codeBase="arviewer15j.cab">
    </Object>

    <Script LANGUAGE="VBScript">
    <!-
    Sub Window_onLoad()
      'データパスを対象ページの相対パスに設定します。
      ARViewer1.DataPath="salesbycountry.rdf"
    End Sub
    -->
    </Script>

    ◆2.0J のコード例(変更後)
    <object ID="ARViewer1"
      WIDTH=100%
      HEIGHT=70%
      classid="clsid:8569D715-FF88-44BA-8D1D-AD3E59543DDE"
      codeBase="arview2.cab#version=2,4,2,1306">
    </Object>

    <Script LANGUAGE="VBScript">
    <!-
    Sub ARViewer1_ControlLoaded()   'データパスを対象ページの相対パスに設定します。
      ' ※2.0J(SP1以降)では ARViewer2コントロールのControlLoadedイベントで
      '  DataPathの設定を行う必要がございます。
      ARViewer1.DataPath="salesbycountry.rdf"
    End Sub
    -->
    </Script>


  4. [メモリ保持]などのオプション設定について
    ASP Webアプリケーションで動作させるActiveX DLLのプロジェクトにレポートデザイナを含んだ場合には、以下のような問題が発生する可能性があります。

    VB 6.0でDLLを作成する場合に、「対話型インターフェイスの抑制」と「メモリに保持」オプションを指定することができません。

    1.5J以前のバージョンでは、ActiveReportsの仕様上、運用面から対処する(例:同時アクセス数を制限する等)以外に有効な回避方法がありませんでした。

    しかしながら、上記ナレッジ文書にもある通り、2.0Jでは、レポートのデザイン情報をXML形式のRPXファイルとして保存し、実行時にRPXファイルを読み込んでレポートを生成することが可能となっております。

    この方法の場合、「メモリに保持」オプションを指定してActiveX DLLを作成することが可能となり、本問題を回避することが可能になります。

    ASP WebアプリケーションでActiveReportsを使用している場合には、上記ナレッジ文書を参考の上、プロジェクト構造の変更をご検討ください。
関連情報
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HowTo 移行・共存

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