データベース千夜一夜第16回

プログラミングとSQL(4)
~販売データの入力処理(前編)
長谷川裕行
有限会社 手國堂

プログラミング言語からSQLを扱う方法の締めくくりとして、商品の販売(受注)情報を記録する処理を作ってみます。

これまでは、商品情報の検索や追加、削除などシンプルな処理を紹介してきましたが、商品を販売あるいは受注した結果をデータベースに記録するといった現実的な処理になると、内部の仕組みはやや複雑になってきます。

とは言え、どんな大がかりな処理も小さな処理の集合でしかありません。サンプルでは、これまでに紹介したSQLとデータオブジェクトを使います。仕様をしっかり把握しておけば、個々の処理自体は難しいものではありません。


サンプル・データベースとサンプル・アプリケーションの扱いについて
第9回以降、新しいサンプル・データベースを使っているのでご注意ください。新しいサンプル・データベースの登録方法については、第9回の記事から「新しいサンプルデータベースの準備」の項をお読みください。

今回も、VB .NETによるサンプル・アプリケーションを作成します。プロジェクトファイルをダウンロードし、任意のフォルダに解凍してください。サンプルのプロジェクトは“ex01”という名前のフォルダに保存されます。

ソースコードを入力して実際にプログラミングを試す場合は、パソコンにVisual Studio .NETがインストールされている必要があります。

Visual Studio .NETでプロジェクト(ex01.sln)を開いてもフォームデザインやソースコードが表示されない場合は、「ソリューション エクスプローラ」で“Form1.vb”をダブルクリックしてください。フォームデザインが表示されます。この状態でフォームをダブルクリックすればソースコードが表示されます。

出来上がった実行形式ファイルを試すだけの場合は、拡張子.exeのファイル(ex01.exe)をダブルクリックしてください。なお、サンプルを実行するにはパソコンに .NET Frameworkがインストールされていなければなりません。

また、SQL Serverはローカルで稼働していることを前提にしています。環境が異なる場合は、ソースコードの該当箇所(ConnectionStringに与える接続文字列)を適宜書き換えてください。

なお、今回のプロジェクトは処理の前半部分のみとなっています。これだけでは全体が見通せないので、exeフォルダの中にex01.exeと共に完成したexeファイル“complete.exe”も含めてあります。


- 目次 -
全体の仕様を把握する
アプリケーションの概要
データアクセスにコントロールを使わない理由
アプリケーションの仕様
2つのテーブルの関係
フォームのデザイン
サンプルのためのデザイン
データベース制御はすべてソースコードで
データの準備
顧客情報の構造体
売上伝票1件分の構造体
グローバル変数の宣言
下請け処理~コントロールと変数の初期化
顧客情報の初期化~ClearCustomerData
伝票情報の初期化~ClearSlipData
フォームの初期化~InitForm
InitFormの呼び出し
処理の終了~btnClose_Click
伝票番号の生成
伝票番号の仕様
伝票番号生成の仕組み
受注件数の取得
顧客情報と伝票番号の表示
ID未入力時のエラーについて
伝票番号の生成と表示~txtCstmId_LostFocus
顧客情報の取得と表示~SearchCustomer
レコードの追加~AddHeader
オブジェクト変数とSQLの準備
あとがき
長谷川 裕行 (はせがわ ひろゆき)
有限会社 手國堂 代表取締役  http://www.hirop.com/

大阪芸術大学 写真学科講師。フリーライター。日経ソフトウェアなどに連載。
『ソフトウェアの20世紀』、『独習SQL』など著書多数。

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