今回は、フィールドの更新とレコードの追加処理を紹介します。SQLの構文自体はこれまでに説明したように、そう難しいものではありません。また、ADOなどのデータオブジェクトの扱いも、パターンを覚えてしまえば簡単です。
ただ、SQLはソースコード上で文字列として扱われるため、記述を間違えても処理系の文法チェックに引っかからない──という点に注意が必要です。SQLの間違いはプログラミング言語の処理系ではなくデータベースエンジンの側で発生し、それがデータオブジェクトを通じてアプリケーションにフィードバックされ、実行時エラーとして処理されます。
削除処理では単純にレコードを指定するだけでしたが、更新と追加ではフィールドの値や並び順などを正しく記述しなければなりません。柔軟な処理を行うためには、変数の値などを組み合わせてSQL文字列を生成することになります。記述を間違えると、一見うまく出来上がったように見えて、実行時にとんでもない動きをする場合があります。
サンプル・データベースとサンプル・アプリケーションの扱いについて 第9回以降、新しいサンプル・データベースを使っているのでご注意ください。新しいサンプル・データベースの登録方法については、第9回の記事から「新しいサンプルデータベースの準備」の項をお読みください。
今回も、VB .NETによるサンプル・アプリケーションを作成します。プロジェクトファイルをダウンロードし、任意のフォルダに解凍してください。サンプルのプロジェクトは“ex01”と“ex02”という名前のフォルダに保存されます。
ソースコードを入力して実際にプログラミングを試す場合は、パソコンにVisual Studio .NETがインストールされている必要があります。
Visual Studio .NETでプロジェクト(ex01.sln)を開いてもフォームデザインやソースコードが表示されない場合は、「ソリューション エクスプローラ」で“Form1.vb”をダブルクリックしてください。フォームデザインが表示されます。この状態でフォームをダブルクリックすればソースコードが表示されます。
出来上がった実行形式ファイルを試すだけの場合は、拡張子.exeのファイル(ex01.exeとex02.exe)をダブルクリックしてください。なお、サンプルを実行するにはパソコンに .NET Frameworkがインストールされていなければなりません。
また、SQL Serverはローカルで稼働していることを前提にしています。環境が異なる場合は、ソースコードの該当箇所(ConnectionStringに与える接続文字列)を適宜書き換えてください。
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