[INMN06283]Windows Vista 環境で[F10]キーを押下してもFunctionkeyPress イベントが発生しない

文書番号 : 24268 文書種別 : 制限事項最終更新日 : 2007/07/04

対象製品

InputMan for .NET 4.0J Windows Forms Edition

発生環境

Windows Vista + Microsoft IME / Microsoft Office IME 2007

詳細

この問題はファンクションキーコントロールで発生します。
Windows Vista上で、F10キーを押下した場合ファンクションキーコントロールの
FunctionkeyPressイベントが発生しません。

この問題の原因は、ユーザーがF10キーを押下したとき、ファンクションキーコントロールがそのメッセージを受け取る前に、IMEがメッセージをフックしてしまいます。そのため、メッセージがファンクションキーコントロールまで届かず、F10キー押下してもFunctionKeyPressイベントが発生しない問題が発生します。

回避方法

この現象を回避するには、FormのProcessKeyPreview メソッドをオーバーライドする方法が考えられます。

以下の例はFunctionKeyPressイベントのハンドルに加えてFormのProcessKeyPreviewをオーバーライドした実装例です。

[VB]
Public Class Form1

　　' F10キーが処理されたかどうかのフラグを設定します。
　　Private isF10_Processed As Boolean = False

　　Protected Overrides Function ProcessKeyPreview(ByRef m As Message) As Boolean

　　　　If m.WParam = CType(Keys.F10, IntPtr) Then
　　　　　　' F10が処理されていない場合、処理を実行します。
　　　　　　If Not Me.isF10_Processed Then
　　　　　　　　Const WM_SYSKEYUP As Integer = &H105
　　　　　　　　If m.Msg = WM_SYSKEYUP Then
　　　　　　　　　　' カスタマ処理を実行します。
　　　　　　　　　　ProcessCustomLogic(CType(m.WParam, GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys))
　　　　　　　　End If
　　　　　　End If
　　　　End If

　　　　' フラグを常にクリアします。
　　　　Me.isF10_Processed = False
　　　　Return MyBase.ProcessKeyPreview(m)

　　End Function

　　Private Sub ProcessCustomLogic(ByVal key As GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys)
　　　　' カスタマ処理を実装します。
　　　　MessageBox.Show(key.ToString() + " が押されました")
　　End Sub

　　Private Sub FunctionKey1_FunctionKeyPress(ByVal sender As System.Object, ByVal e As GrapeCity.Win.Input.FunctionKeyPressEventArgs) Handles FunctionKey1.FunctionKeyPress
　　　　If e.Key = GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys.F10 Then
　　　　　　' F10が処理されたことを記録します。
　　　　　　Me.isF10_Processed = True
　　　　End If

　　　　' カスタマ処理を実行します。
　　　　Me.ProcessCustomLogic(e.Key)
　　End Sub
End Class

[C#]
namespace WindowsFormsApplication1
{
　　public partial class Form1 : Form
　　{
　　　　public Form1()
　　　　{
　　　　　　InitializeComponent();
　　　　}

　　　　// F10キーが処理されたかどうかのフラグを設定します。
　　　　bool isF10_Processed = false;

　　　　protected override bool ProcessKeyPreview(ref Message m)
　　　　{
　　　　　　if (m.WParam == (IntPtr)(Keys.F10))
　　　　　　{
　　　　　　　　// F10が処理されていない場合、処理を実行します。
　　　　　　　　if (!isF10_Processed)
　　　　　　　　{
　　　　　　　　　　const int WM_SYSKEYUP = 0x105;
　　　　　　　　　　if (m.Msg == WM_SYSKEYUP)
　　　　　　　　　　{
　　　　　　　　　　　　// カスタマ処理を実行します。
　　　　　　　　　　　　ProcessCustomLogic ((GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys)m.WParam);
　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　}
　　　　　　}

　　　　　　// フラグを常にクリアします。
　　　　　　isF10_Processed = false ;
　　　　　　return base.ProcessKeyPreview(ref m);
　　　　}

　　　　private void ProcessCustomLogic(GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys key)
　　　　{
　　　　　　// カスタマ処理を実装します。
　　　　　　MessageBox.Show(key.ToString () + " が押されました");
　　　　}

　　　　private void functionKey1_FunctionKeyPress(object sender, GrapeCity.Win.Input.FunctionKeyPressEventArgs e)
　　　　{
　　　　　　if (e.Key ==　GrapeCity.Win.Input.ButtonKeys.F10)
　　　　　　{
　　　　　　　　// F10が処理されたことを記録します。
　　　　　　　　isF10_Processed = true;
　　　　　　}

　　　　　　// カスタマ処理を実行します。
　　　　　　ProcessCustomLogic(e.Key);
　　　　}
　　}
}

この文書は、以前は次のFAQ IDで公開されていました : 7017